イベントを100倍楽しむために

オーガナイザーという存在

人は何も考えず、周囲の目を気にもせず、手放しでその場を楽しむということはなかなかできないものです。それは「理性」がブレーキをかけるからでもあり、「人の目」が気になるからでもあります。

イベントが盛り上がるためには、そのような「人が持っている羞恥心」のようなものをうまく解除してあげる必要があります。いってみれば、「体を動かして音楽を聴く」ことを知らない人に対して、「こうすればもっと楽しいよ」と教えてあげるような取り組みが必要なのです。また、それとは別にそのイベント自体を最初からヒートアップさせることのできるMC技術を持った人などに依頼することで、より熱気のあるイベントに進化することができます。

そのような技術を持つ人を「オーガナイザー」と呼んだりします。それは「オーガナイザー」という特別な役割として確立しているわけではなく、結果としてそのイベントを盛り上げるのが一番上手い人ということになります。そのような人はさまざまなイベントとの経験値が豊富で、場の空気、お客さんの「属性」などをうまくつかんでイベントを盛り上げることができるような人です。不思議なもので、自分だけが暴れまわっていてもなぜか虚しいだけだったりします。ひとつの「何か」で楽しむ人の中に混ざることで、人は2倍も3倍も楽しむことができるのです。

良いイベンターは、ただイベントを提供するだけにはとどまりません。そのイベントでどうやればお客さんが最大限楽しんでくれるのかを考えるものですし、その「シーン」でなにが「ツボ」なのかをしっかりと捉えているものです。「楽しい」ということにも「理由」があるということを、しっかりと理解しているものです。ただ音楽を並べれば人が踊るというわけではないということを、実感として知っているものなのです。だからイベントの中でも緩急をつけ、序盤で一気に火をつけて、途中で緩やかに、そして最期は底抜けに盛り上げる、などという演出自然と浮かんでくるものなのです。

私たちが「楽しい」と感じているエンターテイメントの多くは計算され尽くされたものです。私たちが理性を失うほど没頭できるエンターテイメントは、実はそのように思考が進むように誰かが仕組んだものであるのです。だから楽しめる、だからのめり込めるのです。私たちは日頃さまざまな常識に囚われて生きているものです。社会のルールの中には、ときどき「誰が特をするのか」
わからないようなものもあったりします。そのような本心では「くだらない」と思っているようなことを、「くだらない」と発散できる場というものを心のどこかで渇望しているものなのかもしれません。

人が楽しむ理由。それは良いイベンターやオーガナイザーが知っています。そのシーンで、その場で、何が一番「アドレナリンが分泌されるのか」ということを上手くつかんでいる人こそが、そのイベントを大成功に導ける人であるのです。そのような良いオーガナイザーと出会うこと、それが良いイベントを創りあげるために重要なことなのかもしれません。まずはさまざまなイベントに足を運んで、人にスイッチが入る瞬間を目の当たりにしてみましょう。必ずそこには「何か」があるものなのです。

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