イベントを100倍楽しむために

イベントは一種のお祭り

人は「日常」の中に少しの「特別」を求めます。毎日同じ生活を繰り返すだけでは飽きてしまうものです。ですが、毎日同じことをしなければ、自分が必要だと思うことをしなければ、生きていくことができないのです。

世の中は厳しいもので、ただ椅子に座ってふんぞり返るだけで生活できる人もいます。「資産」があり、それを運用するだけで生活できる人がいるのです。そのような人は「資産家」といわれ、多くのお金を持っていること自体が「仕事」になっているのです。ですが、そのような人はごく一部です。いわゆる「特権階級」というわけです。

実際は毎日働いで地道にお金を貯めるしかないのがほとんどの人の現実です。資本主義の世の中では、生きるために必要なお金が必ずあります。どのように生きて、どのようなことにお金を使うのかは人の自由ですが、「衣食住」というようにかならずお金がかかる部分があるのです。それらに対して費用を支払って、残ったものが、自分が自由に使えるお金ということになります。それらの余ったお金をどのようなことに使うか、どのようなことに使って何を得たいか、それは人によって異なります。

ただ食べて、働いて、寝るだけの毎日では私たちは気が狂ってしまいます。私たちに必要なことはそれらのルーチンをこなすための「余暇」であり、「楽しみ」です。そしてどのようなことに「楽しみ」を感じるのかは人によって違います。本を読むのが好きなのか、映画を観るのが好きなのか、スポーツをするのかなど、バラバラです。

イベントなどの「エンターテイメント」は、それらの人の「楽しみ」の一部です。明日もまた頑張るための栄養源なのです。

私たちは「特別な日」をそれぞれ持っています。それは個人的なレベルのものから、みんなと共有するものまでさまざまです。さまざまな「特別」が入り混じり、そこに投資するお金があるので、それらの産業が潤うのです。お祭りの屋台で何かを買うことで、「テキヤ」の人たちは収入を得ます。私たちにとっては何気ない出費であり、毎日払うものではないのですが、それによって生活をしている人がいるのです。

イベントは、そのような「お祭り」に近いものがあります。毎日同じ人からお金をいただくわけではないのです。その日、その場を楽しみたい人からお金を得るのです。つまり、「顧客」は常に流動的で、安定した収益を上げるためには常に新しいお客さんを巻き込むしかないということです。それをずっと続けるのが「興行」であり、安定するものではありません。だからイベント運営は難しいのです。お客さんからしてみれば、気に食わなければチケットを買わないというだけです。そのような「なくてもいいもの」のひとつが「イベント」なのです。その中で、「選んでもらう」、「来てもらう」ということは途方もない努力が伴っているのです。「人気のある何かを招致する」ということでも、アマチュアでは無理なことです。それも、安定的にそのようなことはできません。

イベントに関わるということは、そのような困難に立ち向かうということです。そのような毎日を過ごすことは、途方も無いことです。それでも「イベント」に関わりたいということであれば、それ相応の覚悟が必要なのです。

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