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プロもアマチュアも関係なくなってきている

近年普及し、もはや当たり前になった「インターネット」は、誰もが同じ「情報発信力」を持つようになったインフラです。簡単に物事を世界中の人とシェアすることができるようになりました。

インターネットがインフラとして「当たり前」ではなかった頃は、人が「情報」を得る手段は限られていました。それは雑誌であったり、テレビであったり、ラジオであったりと、「大きなメディア」によるものでした。もちろん、「クチコミ」という情報伝達は以前からありました。ただ、それは「実際に話せる人」という物理的な限界をはらんだものでした。だから、「一地方での噂」などという限られた範囲での情報伝播であったのです。

その頃は、ある意味そのような大手メディアが取り上げてくれるようなものしか人は知らないものでした。大手メディアは無償でそれらの文化を紹介していたわけではないのです。メディアがメディアとして存在する理由は、そのメディアが「広告スペース」としての役割を果たしているからです。「みんなが観たいもの、知りたいこと」を発信することで、人に接してもらい、多くの人が接することで「看板スペース」としての価値を高めていたのです。そのようなメディアが取り上げるカルチャーはいわば「人が注目しやすい」ものであるのです。

ですから、以前は「プロ」と「アマチュア」の差が大きなものでした。どのようなカルチャーでもメディアに支持されたものはビジネス的な可能性も広がり、人の目にさらに触れることができる機会を得ていました。無名のカルチャー、誰も知らないし理解できないようなカルチャーは、メディアが取り上げるメリットがなかったのです。そのようにして発信される情報は大きな「広告ビジネス」のフィルターを介して発信されるものであり、的には本質から離れてしまっていたりしたものです。ですが、それを一気に覆したのがインターネットでした。

インターネットは「利用者」と「情報発信者」の境目が曖昧です。情報の受け手は、次の瞬間に情報の発信者にもなり得るのです。そのような中では何の利害関係もなく、ただ「気になる」、「知りたい」、「すごい」、「シェアしたい」という心理が先行します。本当の意味で、人が感動したものが伝播することになるのです。そのような媒介を得たことで、一方的な「メディア」からの情報だけではなく、「自分が知りたいもの、気になること」を中心に人は情報と付き合うようになりました。その中にあるのは「本当の価値」であり、それは「プロもアマチュアも関係ない」ということなのです。

そのような意味では、現在はその「道」を追求しやすくなっています。そのカルチャーが好きな人がどこかにいるはずです。その人はその「道」で新しいことを探しているかもしれません。その人に対して「ここにあるよ」ということが伝わればいいのです。それは自分からではなく、その人の知り合いからなのかもしれません。イベンターはさまざまなことを気にしなければいけないものですが、そのように「その道」を極めることに対して特化できるような状況でもあるのです。インターネットによって生まれた新たな人の「情報との付き合い方」は、プロの特権を崩すものでもあるのです。

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