イベントを100倍楽しむために

イベントの認知度を高めるためには

「イベント」は人が足を運んでくれなければ成立しません。人が足を運ぶ、お金を払ってその場に参加するということは、簡単なようでいて難しいものです。

私たちは限られた時間、限られた資本を何かのために費やしています。それは自分の自由ではあるのですが、働くために一定の時間が必要であったり、食事をしたり眠ったりする時間が必要であったり、収入には限界があったりと、やはり「限られている」のです。限られているからこそ、「自分に価値があるものは何なのか」ということを考えるものです。「限られているのであれば、無駄遣いはしたくない」ということです。それは時間であっても、お金であっても同じことです。

人に足を運んでもらう、人にお金を払ってもらうということは簡単ではありません。人によって好みはさまざまですし、中には「みんなが知らないものはあまり良くないもの」と捉えてしまう人もいるでしょう。要は「有名だったら価値がある」という、ある意味「ミーハー」な人です。そのような人から時間とお金を「こちら」に向けさせるためにはやはり「有名」でなければいけません。

「購買」の心理ですが、人によってどのようなものを欲するのかということには差があります。誰も「知らない」ような「最先端」のアイテム、カルチャーを好む人、誰も観たことも聞いたこともないようなものだけに触れて、それをまた誰かに伝える「先駆者」のような人、そのような人は「イノベーター」という呼ばれ方で分類されています。イノベーターと呼ばれる人に対してアピールするためには、ただ先駆的であれば良く、「日本にはまだ無い」であるとか、「世界でも初である」とか、そのような理由が広告塔になります。その「イノベーター」が満足してくれれば、人に「伝えたい」と考えてくれるようであれば、次の購買層は「アーリーアダプター」です。誰かが試していなければ怖い、という心理をどこか持った人で、イノベーターのような人の発する情報を敏感に察知し、「自分も」という具合に派生していきます。その人たちはある意味心理的には「イノベーター」と同じ、「新しいもの好き」ということになります。ここまでは、「質」での勝負です。そのシーン、その分野、その道で、誰もが納得できるようなクオリティを発揮できるかどうかが鍵です。

「イベントを有名にしよう」ということは、実はこの「後」の取り組みです。アーリーアダプターよりもさらに幅広い購買層は、「一般」ということになります。その道のこと、そのシーンのことなどは余り知らない、ただ「良い」とされているから試してみよう、みんなが参加しているから参加してみようという考えを持った人たちです。この人たちに対しては、広告やイノベーターの「お墨付き」などの装飾がとても有効に作用します。躓いてしまいがちなのは、どのようなイベント、どのような文化でもいきなりこの「一般」の層にアピールしようとしていることです。それは大きな間違いで、まずはその「道」、その「シーン」を深く知る人にとって「最良」であるようなクオリティを持つことが先決なのです。いきなり「有名にしよう」という試みは、中身が伴っていないと難しいものなのです。

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